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血と汗と涙の結晶

昨日から京都と大阪に来ておりました。一泊二日の僅かな視察と休養です。京都では秋の特別期間中の西陣 臨済宗興聖寺の拝観に行きました。方丈の間にある青波の襖絵(杏橋幹彦氏作),それと本堂天井の双龍図,茶室の見学をしたかったためです。当院にも採用したいため実物をどうしても見たかったためです。そのあと徒歩で五分のところに位置する裏千家と表千家の界隈を散策しました。相国寺や同志社大学周辺でもあります。私もかつて表千家の茶道を先生について一年ほどみっちりと習いました。将来的には茶室を建てたい願望もあります。茶道会館や家元の屋敷も一体にある閑静で情緒のある街並みでした。老舗菓子屋と隣接する喫茶店もあり寄りたかったものの時間の関係で持ち越しました。夕食は大阪梅田にある蕎麦 こう埜へ。ここは初めてでしたが蕎麦、天ぷら、おろし、蕎麦湯とどれも絶品でした。立地、お店の雰囲気、店員さんも上品、店内の建物のデザインと三拍子が揃って満点でした。飲食店にも興味津々のためいつも写真も必ず撮らせてもらいます。食器も凝っていて錫の蕎麦湯入れなどはとても芸術的でした。それから宿はサウナスパ ニュージャパン梅田です。入館料と宿泊費で3,500円です。ミストサウナと水風呂とプールの五セットです。これはとても快適で健康的です。個室を取らなくでもベッドと枕と掛け布団を与えられるためこれで充分です。コインランドリーも使えて何も不便はありません。屋上には檜の露天風呂を備えております。満喫できて最高でした。翌日は午前五時起床。ミストサウナ、水風呂、プールの三セットをしてチェックアウトでした。それから寺町などを散策してもうすでに帰路の新幹線の車中です。東京駅で下車をして日本橋の行き付けの天ぷら屋さんに寄って帰る予定です。

今は廃車をして駅までは必ず自転車にしました。自動車の運転はほぼしません。筋トレと軽いジョギングは交互に毎日しております。その成果もあるようで身体は引き締まってまた筋肉質になって来ました。二週間に一度は献血をしております。血圧もコレステロールも下がって良好です。血と汗は定期的に流しております。涙こそ流すことはほぼありませんが常に血の滲むような過酷な生き方をしていたいためストイックに人間関係は希薄にしております。ひとりの時間を大切にしております。波動や波長の違う人とは接触はしません。快適な時間を過ごすためです。常に難事業と難解な学問に挑戦をしております。身も心も酷使するのが信条です。高みを目指して孤高で研ぎ澄まされた境地を游泳する人生にするためです。なぜならよき人生とは血と汗と涙の結晶であると思っているからです。人生の対価とは価値とは私は流した汗と涙と血で決まると思っているからです。それがよき死を遂げる近道と思って生きております。かのスティーブ・ジョブズも人生の最期に生きた証、価値とは与えたものでしかないと言われました。自ら培って極め尽くしそれを世の中に還元すること以外にないように私も思います。地位や名誉や財産ではないと思います。継承したものではなく自ら創り出し独自の結晶を注入して新しい価値を創造できたらそれに勝る人生の醍醐味はないと思います。そのために私は宗門にも同業者にも檀信徒にも誰にも媚を売ることはありません。決してもう迎合をする気などないし突き放してひとり淡々と我が道を生きております。

アントニオ猪木はかつて客に媚を売って人気取りのプロレスラーになる気などさらさらないと言っておりました。それだと本当のプロレスは見せられないし自分自身がとても小さい人間になってしまう、と。魅力的であり続けるには自分とも相手とも生き方とも孤独とも戦い続けないといけない、と。私も極めて共感しました。これが猪木イズムかと。寂しい人生にしているのも自分自身でしかありません。人と群れていつも自己を見失い右往左往して路頭に迷っている人など何の魅力もありません。人を追いかけて何になるのでしょうか。遠心力を働かせている人ほどなぜか求心力や吸引力があります。私もいつもぶっきらぼうに生きておりますが周囲は人だかりです。孤独に生きながら孤独を感じたことは一切ありません。引くて数多で何かに困窮することはありません。それはおそらくは既成概念と戦い過去の自分と勝負をしているからだと思います。瀬戸際を歩み続けて来ておりいつどうなろうが覚悟はできているぞと自信があるからだと思います。だから悩みもないし悩んでいる暇もつくりません。それよりも先に帆を進めます。刻一刻と時間は刻まれ自分の人生の残り時間を過ごしているだけです。つまらないことにつまらない人に煩わされるのはやめましょう。誰もあなたのことに興味はないし関心もありません。気にもしていません。すべて気のせいです。自分の生きるプラットホーム、テリトリーだけです。自分の力の及ばないことにうつつを抜かして生きるのはやめましょう。人生は自分物語です。自己責任だからこそ自己負担でしかありません。すべての責任は自分にあります。怠慢が不本意の結果を引き起こしているに過ぎません。他責の人生から自責の念で生きる転換は必要です。そうすれば社会批判に悩むこともありません。悪いのは自分だと思っていければ仏教を生きられます。仏教を生きる人は幸せになれます。それだけのことです。とてもシンプルです。それが因果ということです。因果で生きることが仏教徒の勤めです。いや使命です。初冬の京都で侘び寂びを味わいました。商都大阪で食と健康を堪能しました。これから年末に向けてリフレッシュ後の仕事をします。来年の事業計画やテーマ,言葉を考える時期になりました。新幹線は雪を冠した富士山を走行中です。小春日和の快晴です。来年はおそらくは久しぶりの書籍の刊行になるかと思います。ご期待ください。

令和7年12月12日

見性院住職

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