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葷酒、山門に入るを許さず

昨日は弟子のひとりが葬儀の導師をすっぽらかして散々でした。一昨日は臨時の職員が他人の畑から野菜を持ち出して捕まりました。このところ毎日毎日,お詫び行脚です。今日もです。結局は先日の塗装職人にしても時間外の喫煙が長時間に及びほとんど休憩をして捗らずに中途半端のまま立ち去りました。今度は真面目にやりますのでと工期と見積書を持参しますと言ったきり三週間が経っても一向に現れません。共通していることは大酒飲みとヘビースモーカーであることです。再三言ってます。私自身がタバコもお酒もゴルフもギャンプルも女性遊びも一切しません、と。その真意がなぜかわからないのでしょうか。そもそも僧侶には不酤酒戒(ふこしゅかい)つまりお酒を飲むな,という戒律があります。なのになぜ日本のお坊さんたちはこうも大酒飲みなのでしょうか。ただの大馬鹿者でしかありません。さらに喫煙をしゴルフをしギャンブルをし女狂いまでしている始末です。そういう私の師父も一時はへビースモーカーでした。そのために晩年は肺がんに苦しみ碌な人生を送れずとても尊敬できるような人物ではありませんでした。私とは雲泥の差です。私は基本的には少なくとも喫煙者の採用はしません。星野リゾートも採用基準の一つに禁煙という条件があるそうです。よいことです。私は海外のお坊さんたちの友人も少なからずいます。彼らは肉食妻帯もしません。運転もしません。日本のお坊さんをどう思っているのでしょうか。

私が料理部を一旦、御破算にしたのはヘビースモーカーの人がいて休憩が多すぎること。物品の販売斡旋をするなどおよそ料理とは関係のないところで口出しや行動をしていたことも要因です。本当に碌な人間はいないものです。それで私が今月末での休業宣言をしたところ恨み節です。単なるアルバイトです。今後の予定があるとか何とか難癖はつけて来ます。私の元で働く人の多くは衣食住の面倒を見てもらえることがほとんどです。かなり待遇もよくとても恵まれています。それでも私の期待に応えられる人は少数派です。特に僧侶は報酬も多く時間給にしたら破格です。それなりには襟を正して行動してもらいたいものです。酒飲みのために働いているのではどうしようもありません。拝みだけやって破格の報酬だけ貰っている僧侶は意外と多いです。僧侶である以上,お高くとまらずに掃除や料理や下働きもすべきです。洗い物すらしません。他に手伝いもなにもしません。という人がいます。すっかり踏ん反り返っているために災難が降りかかってくるのだと思います。喫煙飲酒の人はどうしても赤ら顔、どす黒くなります。見ればわかります。酒焼けします。ゴルフ焼け、喫煙によるシミ顔。これで導師をする資格があるはずがありません。私なら依頼はしません。ありがたみもないし不摂生の僧侶に拝んでもらってもご利益があるはずがありません。料理人のアルバイトの人は最低時給が1,500円以上です。それだけでも充分のはずです。こちらは割が合いません。僧侶には仏具から法衣、袈裟、経本とほとんど支給されます。さらに法外なお布施があります。こうした環境にあってもそれに甘んじるだけで成長してくれる人はほとんどいません。それが現実です。私の顔に泥を塗るのはこれ以上は勘弁してください,という日々です。それと檀信徒をはじめ私が人に会うことはしないことをここに断言しておきます。雲の上の人だと思っていてください。これ以上の時間は取れません。正式な許可を得た人だけです。

お彼岸を前に災難続きです。が私は密かに今を楽しんでおります。なぜならピンチの時こそチャンスだからです。これで人を入れ替えてリセットできます。新たな段階に進む契機になります。新展開が待っているはずです。これで払拭して成長への足掛かりとなります。上昇気流に乗るには垢を落とし贅肉を削ぎ落とし身辺整理はしないといけません。それを今,させてもらっていると思います。転機の時に災難続きにもなります。これを楽しみ神仏からのご褒美と思えたらしめたものです。最近はそんな余裕も生まれて来ました。松下幸之助は好景気よし,不景気さらによしと言われました。私は好機よし,災難さらによしと言いたい。逆境の時ほど学べます。順境の時こそ危険です。好事魔多し,です。還暦を過ぎて現実と素直に謙虚に向き合えるようになりました。人生の醍醐味をいつでも味わえる悟りの境地を得たのだと思います。百戦錬磨、不撓不屈を経て今は何が起きても焦ることもなければ後悔することもなにもありません。後ろめたさもないし堂々としていられます。仏教を極めて来た者が到達した真髄かと思います。石原慎太郎のように振る舞えたらと思う今日この頃です。合掌

令和7年9月18日

見性院住職

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