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オーナーシップと寺院再生

物価高騰の影響と企業倒産の波及が庶民の生活を直撃しております。本山や別格寺院でも修繕や改築は進みません。なぜなら先立つものがないのと優先事項の意思決定ができないからです。またこちらをやればどうしてもこちらもと。にっちもさっちもいかなくなっております。会議ばかりで議論は堂々巡り。時間だけが過ぎていきます。資金は枯渇して目減りする一方です。これが今の社会であり宗門でもあります。その理由は明白でオーナーシップが欠如していること。寺院再生のためのビジョンがまったく描けていないことです。また発言権と指導力のある人材がいないために実行ができないジレンマの渦中にあります。これは本山でも別格寺院でも同じです。どうしても一級品の購入が前提であり宮大工でないとできない代物であることも悩ましい問題です。資材も人件費も軒並み高額化しております。見積もりを取るたびに数字も変わります。行くも地獄引くも地獄の様相を呈している人もいます。体力がある時、収入がある時代でしたら少しは思い切ったこともできますが今なら死活問題となりかねません。一寸先は闇と化しており先行きはとても不透明です。夜霧の山道を闇雲に突き進んでいくしかない状況にあります。

もう借金ができる業界ではありません。寺院での役員会は檀徒総代が時に仕切っており住職の意見はなかなか通りません。相見積もりでも役員の知り合いを入れ込んでの話し合いは難航します。結局はもつれにもつれて破談に終わるか決定しても三ヶ月先となります。これが寺院問題の慣例となっております。私はそれが嫌で檀家制度を廃止して宗門とも一定の距離を置くことにしました。そのために今は自由自在にやらせてもらっています。依存をすることなく完全自立主義です。ひとり主義です。このオーナーシップのおかげで迅速に意思決定ができております。収益の確保もできております。あらゆることに挑戦できるし誰にも遠慮なくできます。常に堂々としていられるし思うがままに生きられます。これまでは外注によって成り立たせて来ましたが今はできるだけ山内(職員内)で完結をさせるようにしております。専属の職員が行えばその大部分は粗利益となります。今の時代のように収入収益が伸びない時代は自分達で仕入れて自分達で製作をすることがもっとも価値があり発展します。最小限の経費で最大限の利益を伸ばせるかに勝敗はあります。いかに無駄を省くかです。

ゾンビ企業や自立できていない自然人には加担をしてはいけません。一度、ぶら下がって来た人たちには反省を促すべきです。今こそ自業自得であることを知ってもらうことです。盲目で甘やかされて来たことを体感していただくべきです。私はそう思います。他責にしないですべての責任は自分にあることを自覚していただく絶好の機会です。真価が問われている今こそ私は敢えて同情はしないで突き放す道を選びました。群がってくる人も。縋(すが)ってくる人も。あなたはこれまで本当に世のため人のために働き尽くして来ましたか、と。それを知る時代です。よき時代です。

私は何度もメーカーと直談判をして直接買い付けをして来ました。そして職員には頑張って自分達でできる方策を依頼しました。その結果、見事にその期待に応えてくれております。これからは特に人員の育成と優秀層の獲得が鍵を握ります。なんだかんだと言ってもセンスのない人は成功しません。センスのある人は常に自己を磨き続けているためにキラキラしております。センスのない人が人を魅了することは絶対にできません。寺院はそこにいる住職の世界が投影されているに過ぎません。企業はそこを司るトップの鏡でしかありません。いくらよき参謀がいてブレーンがいても頭が悪かったら成長はありません。オーナーシップですべて決まります。寺院再生は宗門や檀信徒からの自立と住職のオーナーシップ以外にはありません。そしてそのための組織改革は避けて通れません。

今の時代は一人で二役三役をこなさないといけない時代です。大谷選手のように二刀流ができる人が世界を制します。最近、採用した人は午前は料理人、午後からは大工さんです。午前中はエンジニア、午後から僧侶と言える人を探しております。いや、養成しようと思っております。私の親族には寺院住職で脳外科医がいます。当院の顧問弁護士は法律家であると同時に経営塾を主催しております。さらに仏教書まで執筆します。今はこういう時代です。京都には寺院住職でありながらジャーナリストで作家がいます。当院も建築部を増設していきます。できるだけ内製化して一元化をすることが経済合理性からも有益です。資材は徹底してコスト削減はできております。あとは無駄な人件費を削ぎ落とすことです。AI時代は意外と自分達でもできます。完成予想図やイラストもAIが描きます。

外注ですとどうしても費用対効果を考えた場合には割に合わないこともたくさんあります。主導権や所有権ももっていかれてしまうため早期に組み替える必要を感じております。常設のスタジオもつくれなくはありません。私という唯一無二の存在が希少価値なのでそこを大事に利益をもっていかれないようにすることも今後の課題となります。私の代わりは誰もできませんが事業者は腐るほどいます。兎角私がやさしすぎるためにそれに甘えて脱落していく人は多いものです。慣れて来た時を見計らってスパッと斬ることも必要です。私の薫陶を受けながらもなかなか成長をし過去の自分から脱皮してくれる人は少ないものです。だらしなさは自分には見えないので仕方ありませんが。

個人的お気に入りの動画の多くは自撮りをしております。そうすればその収録は自己の元から離れることはありません。揉み消される懸念もなくなります。機材費が乗っかる心配もありません。将来への投資にもつながります。結局はよい内容のものをコンスタントに公開していくことが重要です。そして共感するファン層の獲得こそが意義のある目的となります。自分が感動したものを人は人に伝えたくなるものです。特に自分の大切な人に伝えたくなります。そこがSNSのとてもよいところです。それを他人任せにしたらとてももったいないと思います。あくまでもそれは自分のものでしかありません。かつて多くの寺院では境内などに霊園を造成して石材店と売り捌きました。利益のほとんどは業者にもっていかれたと言われております。いわゆる名義貸しです。これが今後の寺院を確実に駆逐していきます。経営母体が宗教法人のため倒産でもしたら責任はすべて寺院が被ります。こうなる前に主導権を取り戻すことです。私はかつて仲介紹介のサイト会社に多額の資金を投入していて利益の半分以上は消えておりました。今はそれをとても後悔しております。ネットを迂回させるだけで三割から七割を搾取されることは普通です。今はすべて解約したために粗利益は格段に向上しました。やはり自分でSNSを駆使して経費を使わないことが最善の方策だと思います。ネット会社のために働き搾取されて最後は身も心もボロボロになってしまった人を私は多く見て来ております。

星野リゾートのように星野佳路代表が前面に出て来てプレゼンテーションをしたりすることが得策です。アパホテルのように社長が自ら広告塔になるもよし。他人任せは私はあまり好みません。今や外資系ホテルが日本全体を席巻しております。圧倒しております。私も昨年、還暦の贅沢は外資系ホテルしか選択肢はありませんでした。あまりにもよかったので今年も思案中です。それが今の日本です。完全に駆逐艦と化しております。自助努力に勝るものはありません。これから私は大手出版社からの刊行も予定されております。知名度もあるし卓越した思想や哲学をもっているという自負もあります。自作自演でよいようにも感じております。自前主義でもやっていけるようにも思います。庇を貸して母屋を取られてしまうのがこれまでの寺院経営でした。これからはすべてを内在化して傘下に納めていくことです。宗務庁にしても大本山にしても自分たちでは何もできない集団です。これを改めて専門家を養成してそれぞれが独立できる社会を構築しなくてはいけません。これからもその先頭に立たせていただきます。多謝、合掌

令和8年6月16日
見性院 橋本英樹拝

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