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本堂大間と簡易仏壇

本日、本堂大間の柱に和幡と聯を掛けてその完成を見ました。四方八方に新荘厳具が施されてその意匠は見応えのあるものと思われます。寺院仏具は特に価格高騰のためもうこれ以上は抑制をしないといけません。今年は物価高騰に賃金上昇が追いつかず庶民の生活苦は尋常ではありません。企業の倒産や人員の削減は連日の報道の通りです。ものは売れないし建築資材と人件費の高騰化は加速しております。またSNS等を使った詐欺は横行しておりますます物騒な世の中へとカタチを変えております。

当院では年金組合と納骨供養料の値上げで協議に協議を重ねてきましたが断念せざるを得ない状況です。たとえ僅かでも話し合いは平行線でした。また保有するマンションでも管理費が高騰しております。未納の住人が増加をして支障が生じその分は払える人で負担分担というありようです。これが今の時代の現実です。ただ私は今がピークでこれから不動産バブルも起き物価や株価も一時的には暴落して落ち着くと見ております。団塊の世代が亡くなり人口が減ればまたワーカー人口の負担も和らぎ平準化すると思います。そして急速に人口が減少する中,外国人の移住者は急増です。やがて米国のような他民族国家になっていくことは自然の流れです。そうした中で言語の壁はもちろん文化の継承、宗教への理解も必要とされます。そうした目まぐるしい時代の変化の中で寺院は取り残されて埋没し衰退の一途を辿っているだけです。しかしながら我が見性院は近年,その改革に成功して近隣はもちろんのこと、県外からもお越しいただいております。さらには外国人の受け入れにも積極的です。仏教的国際交流にも力を入れております。いち早く時代の変化に対応しております。当院は薄利多売的であるため却って時代の恩恵は受けております。それでも法事の件数はこの数年は微減しておりました。ただこの11月と12月は持ち直して人手不足に陥る気配です。かつてのように土日祭日はほぼ埋まっております。今から人員の確保の調整に動いております。今は少し葬儀も落ち着いておりますので新企画や新規事業のための戦略を練るべく職員間で協議中です。コロナ禍以降に増加した不参加供養を本堂から出張サービス(出向)も一業態として加える案が浮上しております。当院は所属している僧侶が10人以上はおります。彼らがたとえば谷中霊園に塔婆を持って出かけて読経供養、墓参代行(花向けと線香立て等)をしてくる。そして簡単な清掃までやれれば遠隔地や施設にお住まいで困っている人を助けることができます。こちらとしては自分の都合のよい時にお参りができます。法事はとかく週末の午前11時とかに集中しがちです。これを分散できます。なかなか親族を一堂に会することは困難な時代です。それぞれに都合はあるし忙しいものです。みんなが集まる時代文化は終焉を迎えております。そこで僧侶にすべてをお願いして一回で済ませることができるサービスは画期的です。当院は塔婆代が3,000円です。お花が対で1,000円で線香は無料です。それに読経供養料で墓参代行が10,000円からでできます。出張の場合には距離で5,000円〜で対応できます。そうすればお互いに助かります。新規の仏事サービス、宗教的ビジネスとして流行ると思います。土日祭日はお坊さんは仕事が勝ち合います。週日に分散できますと仕事の効率化になり経済も好循環します。是非とも当院がまた先頭に立ってこの寺院社会の窮地を救っていければと思います。

家族経営ではもはや寺院は成り立ちません。事業化をして変化に対応できる組織づくりをしたところだけが発展します。あとは淘汰される過渡期にあります。世の中全体が整理統合期にあります。人員の削減と同時に時代に合わないものは消滅する時です。現代寺院の業務内容はすべて老朽化しました。対応は遅れ破壊されていくのみの末期にあります。変化対応に迅速に取り組み改革に成功した当院はその存在を如何なく発揮するべきチャンスにあります。次に簡易仏壇の紹介をします。最近は本当に仏壇が売れなくなりました。位牌の新調のみの人がほとんどです。その理由として置く場所がないこと。畳の部屋がないこと。引っ越す場合や家の解体時の処分に困るなど理由はさまざまです。仏壇があるとお寺さんが月毎にお参りに来るので迷惑のため処分したという事例もあるようです。先祖教は衰退しております。現代人には先祖崇拝という感覚は希薄になっております。一代一代の個人の考え方に任せる時代になりました。そのために仏壇の必要性がなくなっているようです。マンションの人は場所がない。養老院に行く人には携帯できる位牌だけの方が便利と言われております。そこで当院では簡易仏壇を作製してもらい背面には当院本堂の祭壇写真を貼り付ける案を考案しております。この機会にご興味のある方には是非とも内覧に来ていただけますと幸いです。組み立て式で簡単に移動もできます。場所も取りません。お墓もお仏壇もいらないという不要論も言われております。コロナ禍を経て時代はインフレです。できるだけ持つなら携帯用,処分が簡単が好まれております。あとはできるだけシェアをして経済的負担をかけたくないという時代のようです。そんな時代に簡易仏壇はお勧めできます。また当院での本堂葬儀はこれだけの祭壇が常設されているために生花がなくても大丈夫です。どなたさまでもご利用できます。いつでも生花あり果物ありお菓子ありです。用意してもらうものはありません。見学も常時できます。今の時代に適した生き方,暮らし方を提案するみんなのためのお寺,見性院です。みなさまのお越しをお待ちしております。

令和7年10月18日

見性院住職

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