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台湾仏教寺院と周辺

昨日から関西に来ております。もう今日の午前中には自宅に戻ります。が。昨日は午前4時起床。シャワーを浴びて午前4時半に自転車で熊谷駅へ。午前5時12分の始発で東京駅へ。それから一路、大阪へ向かいました。寺務用の印刷機器の購入のためのメーカーとの商談です。終わってカンデホテルズ大阪 ザ・タワーでランチビュッフェです。たまたま徒歩20分で着きました。SNSでもなかなかの話題性ありでした。大阪は食い倒れの街であり私は東京以上に気に入っております。比較的安価であることも魅力的です。案の定、コスパはよくバリエーションにも富み眺望、雰囲気、サービス,食事内容とすべて完璧だったと思います。私も今は毎日,料理人を雇って調理の研究を続けております。休憩と腹ごしらえが終わると次は台湾仏教寺院、仏光山大阪別院へ。と言っても今は仏光山の大阪別院は二拠点あります。一つは30年前に建立された宝塚市内です。もう一方は大阪市内のビル一棟です。今回は友人のいる宝塚へ。閑静な住宅街の高台に位置して眺望も絶景でした。かつては社長の邸宅(豪邸)だったところを購入したようです。庭園もあり本堂も一般寺院よりも広くゆったりしておりました。最寄駅は清荒神駅でしたがうっかり降車を忘れ隣の終点,宝塚駅まで行きました。よい機会であり宝塚大劇場とその周辺の見学ができました。そこから別院までは徒歩20分でよい散歩コースだったと思います。友人の釋妙聖法師とはおそらくは5年ぶりだったようです。宝塚に転勤になって4年とのことです。伊香保温泉にある仏光山法水寺に赴任中は年に一、二度はお会いしておりました。ただ彼女とはLINEがつながっておりお互いの近況報告はしておりましたのでそこまでお会いしていなかったという感覚はなくすぐに打ち解けて会話は弾みました。

現在,私の子供達が高校3年の娘と中学3年の息子がおり受験を控えております。娘は英語と中国語が堪能のため台湾の大学進学を勧められました。私は子供達には一生の間に一度は海外と関西に在住することを念願しております。私は幸いに海外在住はできましたが関西に在住したことはありません。この年齢になると京都や大阪,神戸はとても好きなまちになっております。昨日は仏光山大阪別院での表敬訪問の後は徒歩で近隣の清澄寺と中山寺を参詣しました。別格寺院でありどちらもその威容と壮大さ、伽藍の配置は見応えがありました。私は今後の見性院の建築に生かすべくいつもスマホに収めております。かつて両親が秩父,坂東,西国,四国八十八ヶ所霊場巡りを積極的に行なっておりました。幸いに私もほぼすべてを満願しております。西国も少人数で巡回をしました。そのため大本山中山寺はとても懐かしく感じました。そして当時,衝撃的だった参道のエスカレーターをまた見ることができ記憶が鮮明になりました。その当時は霊場に興味はなく師僧の強制命令でやむなく連れて行かれましたが今となっては貴重な財産になっております。人生に無駄はないことが最近は頓に感じる日々です。台湾仏教の寺院が宝塚に建立されたのが今から30年少し前。その時に私は西国三十三ヶ所霊場巡りをしておりました。軌を一にしております。何かの因縁とはあるものです。何か目に見えないもので人生航路はつながっているのかもしれません。

かつて私は宗門大学の院生時代に世界各国の留学生や在外研究の外国人教授と交流を持つという幸運に恵まれました。その時に韓国や台湾,中国,スリランカの留学僧と盛んに交誼を深めることができました。そのために韓国や台湾の仏教寺院や大学を運転手付きで案内してもらいました。一週間か十日の滞在だったと思いますがとても貴重な経験でした。今から思うと本当に恵まれていたと思います。また私が米国留学中は指導教官と京都大学在学中に同研究室だったフランス人教授や知人の米国人教授から指導を受けることができました。その点は私はもっとも幸運なひとりなのかもしれません。またかつて院生時代に同級生だった台湾僧の人は仄聞するところ今は仏教系大学の学長をされているとのことです。あの時がおそらくは宗門大学の黄金期だっと思います。すべてはお導きによって導縁によって成り立っているのがこの世の中のような気がします。とにかく私は歩きながら各地を巡り徒歩中はスマホで動画を視聴することも好きです。今は自称受験生のため出張(仕事)の時以外で観光旅行をすることはありません。寺院の参詣も基本的にはしません。いつもついでの時だけです。それでも今はそれで充分です。よい息抜きにもなります。海外寺院の留学僧、赴任僧侶との交流は未来を切り開くことを私は実感しております。僅か一日だけの大阪滞在でも充分な意義がありました。定宿の前に蕎麦屋と行き付けの丸福珈琲に寄りました。この蕎麦屋さんは初めてでしたが店舗のデザインと味はとてもよかったです。将来,飲食店のオーナーにもなりたいため写真に収めました。私も少しづつ庭園や和風照明による夜の幻想的雰囲気を醸し出すための研究をしております。今回は我ながらまたそれなりの成果はあったと思います。コスパとタイパのよい研修もできました。法外な設備投資をして来ましたので今は節約をしております。徹底的に攻撃的に物品も取り揃えました。もうこれ以上は無理という臨界点ギリギリまで賭けで執行してみました。前倒しをして法衣や仏具も買い占めました。暫くは何も必要ないほどにしました。また向こう二、三十年は何もしなくても場合によっては大丈夫なほどの修繕や新築もしてしまいました。自家用車も廃車にして夫婦で一台に。新車のため5年から10年は問題ありません。もうやることも買うこともないほどに前倒しをして整備と次の準備をしております。先代から引き継いだものでそのままのものはもう何もありません。本堂も大改修のため外装内装とすべて新しくしました。仏具も総入れ替えして新調しました。分院の本堂の大改修も終わっております。すべては自己資金です。完全にオーナー化しました。創業者的メリットとマインドでどこまでできるかの実験もしてみたかったということもあります。今はやり遂げてほっとしている面と果たして結果は出せるかの両面が錯綜しております。当面は動きを見たいと思います。

次に昨日の前サントリー会長の新浪剛史氏です。これまで財界を代表するご意見番でした。歯に衣着せぬ物言いは定評がありました。風貌といい実績,経歴と華麗なるキャリアを積み重ねてきました。それでも裏の顔はあったようです。パワハラとか三回の離婚、女性問題、高飛車な性格も言われ出しております。サントリーの企業統治や本人の企業倫理ということがこれから問われてくるかと思われます。決して潔癖とか清潔感とかからはかけ離れているのかもしれません。潔白を主張するに堪える説得力はなかったです。新浪さんらしい歯切れのよい口調ではなかったしそこに自信は見えませんでした。サントリーの鳥井信宏社長からも風格や品格は感じません。その点では私は宗門や檀信徒からは叩かれ続けて来ましたが雲泥の差かと思います。企業人としてその資質に欠けている人は多いようにも思います。かつての松下幸之助や本田宗一郎、稲盛和夫、さらには渋沢栄一とかにもっと学ぶべき時のように思います。私は企業人にも信仰は必要だと思います。日本には真の宗教指導者がいないために社会的信用が宗門にはありません。そこにも問題がありますが企業統治の前に自己統治です。自戒であり自律です。それができているお坊さんもほとんどいないので政財界人の批判はできませんが今はそこが問われております。海外の高僧との交流はそこを気付かせてくれます。日本の僧侶のほとんどは群僧であり軍僧でしかありません。高僧ほど孤僧です。人の意見の99%は私は参考にならないと思います。これが社会常識と言ってもその人の固定観念がそのまま常識になっているだけで自分とは違います。大事なことはその中から自分が納得できるもの、同意や共感ができるものだけを抽出してあとは取捨選択をすればよいと思います。人はみな条件も環境も才能も素質も違います。結局はイチローや大谷のように独自路線を突き進んだ人が自らの新境地を開拓していきます。自分のことは誰にもわからないのです。唯一自分だけが自分の声を聞ける存在です。そしてその声に耳を澄ましてそれを実行できるのは自分しかおりません。そして誰も責任は取れません。他人は無責任な存在です。自分を信じて果てしない孤独な道を生きるしかないのが人生です。私はそこを目指して生きます。

令和7年9月4日

見性院住職

 

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