京都、そして大阪・関西万博へ

ただ今、京都、大阪、神戸に向けて東京駅を出発しました。今回の出張は京都祇園での会食。大阪はV.Sでの「安藤忠雄展 青春」と大阪・関西万博の鑑賞見学。関西の学校視察。貿易商との商談等です。漸く骨休みの時間が取れました。何かとバタバタ、ざわざわしている寺院です。365日24時間営業の寺院です。ゲストもほぼ毎日です。お抱えシェフ、賄いワーカーも家事手伝い、作業員も常時います。発展に次ぐ発展のためよいことではありますが身体が少し休まりません。今日は快晴のため思い切って出かけることにしました。
新聞折り込みチラシの効果もあり順調に墓地は売れています。と同時に生前での葬儀相談、HPからの自動見積りの問い合わせと全体として動きがあります。求人の問い合わせも増えております。噛み合っては来ていると思います。今週末には敷石がトレーラー三台に積荷されて納品されます。境内地もまた様変わりします。法衣や仏具の大量発注もしております。今のうちにこれから10年先の分まで作り置きしておきます。職員も僧侶も増員する方向で調整しております。業界全体が凹んでいるときこそチャンスです。日本経済、政治が混乱して宗教界が崩壊寸前の時こそ仕掛けるべきです。私はコロナ禍でも積極投資をすることによって全く影響を受けることはありませんでした。むしろ増収増益をさせました。ただこの三年ほどは収支が横ばいのため仕掛けないといけません。守りに入ったら負けです。今年は幸いに新霊園の開園や大型版チラシ効果、樹木葬墓地の充実によって飛躍的な一年になると業績予想をしております。法事の減少はあるものの遺骨の持ち込み合祀は増えております。送骨もそれなりにあります。寺院消滅後の時代を先取りしておく必要はあります。
押しかけ僧侶も急増中。悩みの種です。必ず住職僧侶の難民、行き場のない檀信徒難民は増えて来ます。この対策もしないといけません。あと何年宗門が持つかも考えものです。単立化の波は来るはずです。個人主義の時代です。組織は崩壊してまとまりはなくなります。戦後のようになると思います。そこからが正念場、いわば新時代です。そこに焦点を合わせて取り組んでいけるかです。今、設備投資ができる宗門や寺院はほとんどないはずです。路頭に迷い喘いでいるだけです。行くも地獄、引くも地獄の真っ只中にいます。今更遅きに失したことはみなわかっています。あとは潰し合いとか足の引っ張りになります。私はそれがわかっていたので先に進みました。そして要塞を構えました。正解でした。ヤクザっぽい僧侶だらけなのでこうなるだけです。私の場合はとっておきの僧侶のみを抽出しましたのでとても幸せで快適な日々です。とにかくストレスがありません。よく僧侶が来られるとこんな居心地のよいお寺は他にはないと言います。みんな仲がよくて真面目です。啀み合ったり罵り合ったりすることなど皆無です。
ほとんどの僧侶は反面教師でしかありません。そこを抜け出ることができただけでも大成功です。蟻地獄でしかありませんから。そこに気づけただけでも悟りかもしれません。汚泥に咲く一輪の蓮たれ、は真実です。至言かと。そもそも宗門など出鱈目だしインチキそのものでしかなかったと言うのが私の境涯です。それぞれの開祖はそれがわかっておられたのだと思います。一つの道を二人して行くこと勿れ。犀の角のようにただひとり歩めと。自己の探究のため唯我独尊たれと。ひとりを生きるのが仏教のはずです。モンクモードこそ僧侶の本道です。私はここまで来るのに確かに大苦労、大修行がありました。批難も損失も計り知れません。それでも経済的余裕や宗門、檀信徒からの解放により一生残せる財産をつくることができました。人を雇用できている。困っている人をいつも助けることができています。子どもの教育にも資金を投じることができる。とても幸せな日々を手に入れることができました。
しかしながら宗教者である以上は禁煙禁酒は厳守します。ゴルフやギャンブル、或いは歓楽街に夜な夜な出かけて行くことなどは当然に御法度です。お布施で生活をしているものとしての矜持です。基本的には夕食はしないようにしております。夜の付き合いももちろんしません。夜遊びも厳禁です。群れて蒸れているのが宗門です。そこに舵を切れる高僧の指導者が現れたら宗門は変われます。そもそも仏教に組織は不要です。ただひとり歩む宗教なのですから。そこに気づいた人もいるかもしれませんがほとんどの人は晩年です。無明の中で消滅して行くのみです。らしいことは何もできなかったと後悔の中で。それが現実です。まもなくこちらは名古屋です。東海道を車中にて思索中です。コーヒーを飲みながらのひとり執筆に耽ることは何とも幸せです。晴れ晴れとした心中にあってこれから京都、大阪、神戸の旅を満喫させていただきます。移動中は執筆か法律書の真読です。至福の時です。それでは小休止に入ります。万事休す。合掌
令和7年5月13日 見性院住職