宗門と大学と本山の未来

これからの時代はどの宗門においてもすべてにわたって存続の危機を迎えます。その中で宗門と大学と本山が連携してこの危機を乗り越えるとともに繁栄していく唯一の私の提案をさせていただきます。宗務庁も大本山も小規模化させないといけないことは周知の通りです。また宗門大学も経営的にも人材的にもとても厳しい状況です。そんな中でこれは曹洞宗版機構改革になります。現在の駒沢大学竹友寮を地方僧堂 兼 仏教大学院大学寮にすること。一般大学を出た人が入寮して曹洞宗教師資格と修士号を二年間で同時に取得できる方法です。学部生は三、四年生のみ入寮可とします。卒業後には教師資格が取得できるようにすることです。そして仏教学部は文学部に再編して宗教学科にすること。その中に仏教学専攻と禅学(宗学)専攻に分ける。仏教一般の専任教員5人、禅学・宗学専攻の教員5人で編成。一学年は70人。社会人枠30人で併せて100人の構成。仏教大学院大学は修士課程20人、博士課程は3人でよいと思います。その中から将来の教員養成もすればよいと思います。これからの人(寺院子弟)は宗門大学には行かなくなると思います。そのため大学院に進学して修士課程と同時に教師資格が取得できれば短縮できます。本山離れも加速して来ます。全体的に生き残るにはこれが最善の方法にも思えます。卒業後には宗務庁職員または本山職員という選択肢もありです。そこに宗費を注ぎ込むべきです。本山には修行に行くというよりは就職的研修で行くようにしてある程度の生活の保障をしてあげることも必要です。宗務庁、宗門大学、大本山が三位一体的に連携して次世代の人材養成をしていくべきです。
僧堂生活はとかく特殊で今の時代にはとても合いません。失敗をすればけちょんけちょんにいじめられます。強烈な罰則もあります。全山で晒し者にされることさえあります。ほとんどの人は萎縮をして捻くれてしまいます。その後の語り草にもなりレッテルを貼られてしまうこともあります。そのためその後の人生で何かに挑戦するような人はそこからは出て来ません。どうしても内向きに固まり密室的吹き溜まりの中で僧侶の集団が形成されていきます。これは閉ざされた狭い社会であり健全な世界とはとても思えません。実力のある僧侶を育成していくには社会に開かれていて切磋琢磨できる環境は必須です。もたれ合いの人間関係からは人材の輩出はありません。そして社会人からの出家希望者を増やすことです。そのためには陰険陰湿な社会のままではいけません。大人の社会にしましょう。頑張っている人が評価をされたり報われるようにすることです。そして現代に取り残されている体質からの大転換が必須になります。これができるリーダーの養成も必要案件です。思い切って宗派として本末制度の廃止をしたり吸収合併の促進をしたりと荒療治もしないといけません。このままだと全体的に凹み共倒れになることは間違いありません。廃墟化する寺院は急増します。組織も崩壊します。宗門大学と大本山、地方僧堂と交えて宗門の未来を考え直さないといけない時代です。単立化寺院が急増する前に手を打つしかありません。もう宗門改革に残された時間はそうそうないと私は見ております。東京寺院と言えども不動産業界でバブルは弾けます。建設費用の超高騰化で再建を躊躇せざるを得ない寺院も多いとお聞きします。墓じまいも加速度的に増えております。物価高、人件費高騰、関税の影響でほとんどの小売り業界は大不況です。そのためにさらに法事も減少しております。まったく回復基調にはありません。学校の統廃合はさらに進みます。大学の多くも赤字経営を強いられていると言います。郊外のキャンパスが閉校しております。零細病院(クリニック)の廃業ラッシュも来ると実しやかに囁かれております。宗門と寺院も本格的に動き出さないといけません。
これから当院では飲食業のためのメニュー、レシピ、動画の編集をしていく準備に取り掛かっております。厨房のリフォームも検討しております。シェフ(料理人、調理師、栄養士等)はスター級が揃って来ております。来月から境内整備の工事が始まりお盆までには終了予定です。当院独自の経本の編集本もつくります。法式作法(各行事)の動画制作もしたいものです。そうすれば独学でもある程度の僧侶進退の作法も身につけることができます。高付加価値の寺院組織を編成しない限り次世代の運営は極めて難しくなります。今年は運命が決まる年です。昨年を上回る倒産廃業ラッシュになって来ております。大淘汰時代の本格的到来です。自動車の売れ行きもかなりよくないそうです。当院はここで本領を発揮させていただきます。底力を見せます。還暦前の総仕上げをやってのけます。是非ともご期待ください。発射オーライ。
令和7年5月23日
見性院住職